責任の重さを実感し看護師という仕事が怖くなった

何度も看護師に向いてないのではと思った

総合病院の内科外科混合病棟などで10年以上の勤務経験があります。30代の女性看護師です。私が看護師に向いていないと思ったことは、正直に言って何度もあります。最初に感じたのは、やはり新人時代です。

患者とうまくコミュニケーションがとれない

まずは、先輩看護師についてまわっていたところから一歩抜け出し、一人で患者さんを回るようになったころ、働き始めて数日の話です。実習でも患者さんと向き合っていたつもりだったし、人とのコミュニケーションはそれほど苦手ではないと思って、この仕事に就いたはずでした。それなのに、いざ独り立ちすると、患者さんとコミュニケーションがうまくとれなかったのです。患者さんの言っていることを専門的な視点で聞けていないから、異常に気づくことができなかったり、患者さんからも話すのを諦められてしまったりしました。情報をうまく自分の中で整理できず、大切な点を見落としたりすることも多く、何でこんなこともできないんだろうと思い悩みました。

患者に対する責任の重さに足がすくむ

それから、しばらくして、次は少し重症患者さんも担当するようになったころです。看護師という仕事が、患者さんの命をも左右してしまう仕事だということも、十分理解していたはずなのに、自分のしている処置が患者さんの体を傷つけたり、ボタン一つの間違いで患者さんの状態を悪化させたりしてしまうのだという事実に今更ながら行き当たったのです。大きなインシデントを起こしたわけではなかったのですが、ことあるごとに「あなたが患者の命を握ってるのよ。」と先輩から言われ続けたことが心の中で重荷となっていました。処置やケアの一つ一つが怖くて、こんなに重い仕事自分には向いていないと思うことがありました。

勉強を重ね、同僚と思いを共有して

それから、とにかく専門的な知識がないと患者さんと話をしていてもただの雑談で終わると、遅ればせながら気づき、月並みですが勉強しました。どうして患者さんに症状が出るのか、それに対する対応を先輩たちはどうしてるのか。カルテや本を読んだり、医師に聞いたり、とにかく知識を増やしました。重症患者さんのケアや処置については同期と話を共有して、怖いよね、という気持ちを分かち合いました。そして、勉強しているあいだに月日が流れたのもあるかもしれませんが、患者さんとのコミュニケーションは徐々にとれるようになり、話をしてくれることも増えました。患者さんのケアや処置についての恐怖心に関しては、自分だけが追い詰められているのではないとわかると不思議なもので、少し落ち着いて仕事ができるようになりました。

どんな職業でも「向いてない」と思うことはあるのでは

いまでも正直に言って、自分が看護師に向いているかと言われれば、向いていると自信をもって言えるほどではありません。だけど何とか大きなトラブルもなく、やってこられたような感じです。きっとそういう人は多いと思います。自分がこの職業に向いていないという思いをもつことは、どの職業についても一度はあるのではないかと思います。だからすぐに結論を出すことなく、自分のできる努力はしつつ、やっていければよいと思います。ただ、人とのコミュニケーションが根本的に好きじゃなかったりすると、やっぱり看護師は難しいかなと思います。