先輩看護師からのあり得ない発言に傷ついて


夢や希望、目的を持って看護師になってみたものの、実際に働き始めると「こんなはずじゃなかった」と思うことがたくさん出てくるものです。中でも、もしかして自分は看護師に向いてない? と思わされてしまうようなことがあったりすると、看護師としての自信を失ってしまい、本当につらくなりますよね。あなたはそんなふうに思ったことはありましたか?


精神科病棟に長らく勤めて

40代の女性看護師です。看護専門学校を卒業して救急看護の勉強をして、緊急時の対応ができるようになりたくて、総合病院に入職。1年間色々な場面の救急看護をさせていただき、急変時の対応も一人で落ち着いて判断できるようになりました。転職して、以前から興味があった精神科看護師の道を選び、20年間勤めさせていただきました。SST研修にも行かせていただき、職場だけだ無く、普段の生活にも役に立てるスキルを身に付けることができました。その後、訪問看護を1年間経験してから、現在は総合病院の内科外来に勤めています。高校生のお年頃の娘と、小学1年生の息子、2歳年下の主人と、1匹の全く目が見えないダックスフントと仲良く暮らしています。将来は一軒家に住みたくて頑張っています。

看護師としての存在を否定するようなことを患者家族に言われ

私は20年も精神科病棟に勤めていたのですが、その後訪問看護師に転職したとき、自分の看護師としての存在そのものを否定されてしまうようなことがありました。訪問看護では、利用者さんの自宅に訪問して簡単なバイタルチェックを行い、利用者さんに必要な日常生活の介助など基本的な看護を行い、ときには採血、点滴を行うこともあります。ほとんどのお宅に家族がおられて、家族がそばにいる中での看護でした。最初は先輩看護師と2人一組で訪問していたのですが、ある程度慣れてきたときに初めて一緒に組んだ先輩看護師が、利用者の家族の方に私のことを、「この看護師は、精神科しか知らないので、点滴とか採血とか全くできないし、患者さんに何か起こっても緊急で対応はできません。」と言ったのです。

患者家族からの信頼を完全に失って自身も喪失

それ以降、そのお宅を訪問すると、私がすることを1から10まで(来た時点から終了して自宅を出るまで)真横から家族に監視されるようになってしまいました。その状況に対し、その原因となるような発言をした先輩看護師からさらに、「あなたは、私たちが今まで築き上げてきた患者さんとの信頼関係を崩そうとしている。精神科しか知らない人には訪問看護は向いていない。」と言われ、救急医療でも仕事をしてきたにも関わらず、医師がそばにいなくて、直ぐに患者さんの状態を見て頂けないこと、自分自身で決断して看護を提供しなくてはいけないことに凄く責任を感じてしまい、訪問看護の難しさを実感して、出社拒否になってしまいました。

上司からのフォローでなんとか立ち直ったけど

病院併設の訪問看護ステーションでしたので、責任者は病院の看護部長でした。どうやって訪問看護に向き合えば良いのか相談して、たくさん思うことを伝えて泣きました。訪問看護ステーションの主任も交えて、訪問看護の役割の再認識と、患者さんの家族に不安を持たせる発言をした先輩看護師の軽率な発言が一番いけないとの説明を受けて、なんとかまた訪問看護に携わることができましたが、家族との信頼関係を取り戻すのにはかなりの時間がかかりました。

病棟看護と訪問看護はかなり違うから

日本は高齢者が多くなり、訪問看護施設がたくさん増えています。病院経験からの転職は、全てのことが全く違うので、その個人の自宅によっても経済面などのことも考えながら、必要最小限の用品の中での看護に戸惑うこともたくさんあると思います。しかし、信頼関係が築けると訪問をすることで患者さんの家族や、本人から感謝の言葉が聞けると、心が温かくなるのも事実です。私も、上記のできごとがあってから、家族との信頼関係・患者さんのことを一番に考え、看護を丁寧に行い、患者さんも満足のいく看護を提供することができました。